『生命の意味論』を読んだ

生命の意味論』を読んだ。
免疫学者の多田富雄さんの書いた本で『免疫の意味論』の続編的な本だ。この本は雑誌の連載が元になっているので、『免疫の意味論』よりも専門的な話が少なく読みやすい。
両方の本ともに出てくる「超(スーパー)システム」という考え方は、かなり河本英夫さんのオートポイエーシスに影響をあたえているのだと思う。実際『オートポイエーシス2001―日々新たに目覚めるために (ワードマップ)』の中のブックガイドに『免疫の意味論』が載っている。
河本英夫さんはオートポイエーシスを第三世代システム論と位置づけていて、多田富雄さんが今までのシステムを超えるものとして「超システム」と言うのと似ている。
どんなにコンピュータで生命をシミュレーションしても生命は生まれない。河本英夫さんが「創発」と呼ぶような事態は従来のシステムであるコンピュータの中では生まれないのだろう。しかしインターネットのような閉じていてかつ開いているようなシステムの中からだったら生命が生まれるのでは?という話が押井守攻殻機動隊のテーマですよね、確か。
あと、この本の終わりの方に都市の成り立ちと生命との類似性について書かれていた。昔から次第に大きくなっていった都市と較べると、計画的に作られた都市はあまりうまくいっていないとある。この辺は宮台真司さんの郊外の犯罪とかなんとかに繋がるのかもしれないと思いつく。オートポイエーシス関連ということで、あくまで思いつき。
以上、簡単な覚え書き。

生命の意味論

生命の意味論

免疫の意味論

免疫の意味論


オートポイエーシスについて松岡正剛さんの素晴らしい書評はこちら。