柏木博『モダンデザイン批判』

2ちゃんねる「潔癖症の生活事情を語るスレ」のまとめを読んで、潔癖症の人も頭では意味のないことをしているんだとわかっていると初めて知りました。わかっていてもしてしまうというのはある種の病気なんでしょうね。だから「症」とつくんだというレスもありました。
さて、この前読んだ本『モダンデザイン批判』の中に冷蔵庫のデザインについて書かれているところありました。ヨーロッパで疫病が流行り、いかに清潔にするかといった衛生思想が拡がりをみせる中、白くて汚れの目立つ冷蔵庫が登場したそうです。清潔にすべきものは清潔にしようとさせるデザインにする、ということのひとつの例です。我々は清潔であることが正しいと当然のように思っていますが、実はそれは近代以降の比較的最近の考えであるようなのです。もちろん昔から不潔なものは良くないと思われていたでしょうが、ヨーロッパで疫病が流行り伝染によって病気が拡がることがわかってから特に清潔さが求められるようになりました。
物事はどんなものでもどんどんエスカレートするものですが、清潔さのデザインもエスカレートしてきているのだと思います。抗菌グッズなども増えてきていますしね。そんなものに囲まれてくると潔癖症と呼ばれるような人が出てきてもおかしくないのだろうなと思い、自分は潔癖症でなくてよかったなーと思うわけです。

モダンデザイン批判

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